高校での授業が始まりました。
高校の先生とお話しをしていると、
学生たちの創造力のなさに話題が及び、
私自身、その事を痛感しています。
東大教授・見田宗介さんの「リアリティに飢える人々」
は、敗戦から1960年代までを「理想の時代」、
高度成長時代が完成した1970年代までを「夢の時代」、
ポスト高度成長期の1990年代までを「虚構の時代」、
そして今を「バーチャル(仮想)の時代」と分析します。
大阪万国博を幼少期に体験した私は「夢の世代」。
大人になると、万国博のような世界が、
本当にやってくると信じていました。
あの頃、大人たちは私に夢を見せてくれていました。
しかし、現在30歳代の人たちは「虚構の世代」。
受験戦争、就職氷河期、やっとついた仕事も、
働かない上司と考えない部下の板挟み。
夢は虚構なんだと思い知らされた世代です。
そして今、電子メディアの発達と共に、
バーチャルな世界だけでも幸せにやっていけると、
虚構にすら居直ってしまった世代。
だから、リアリティ(現実)に飢えています。
バーチャルな世界に生きているから、人を殺しても
「誰でもよかった」し、リアリティがほしいから
リストカットもします。人との共同体意識も薄く、
孤立感を極めるこの「薄い時代」に、夢を見るなんて
無駄だし、そんなエネルギーの浪費は面倒くさい。
こうして思うと、学生たちの創造力の欠如の原因は、
先人がかつて見せてくれたような夢を、学生たちに
見せてあげられない、私たち大人にあるようです。
この責任は、重大です。
そう思って、元日の朝日新聞を見返しました。
トップニュースが建設会社の裏金疑惑。
どのページも何とも夢のない、せち辛い記事ばかり。
この国のどこに夢があるのかって感じです。
大人たちは、自分はろくに勉強もしないくせに、
子どもたちに勉強しなさいと叱ります。
でも、その結果どうなるのか、どんな未来を
用意しているのか、夢は何なのかは問いません。
子どもたちは、きっと耳を塞いで聞えない振りを
しているのでしょう。だって、バーチャルな世界
だけでも、幸せにやっていけるのですから......
新しい時代に導く責任は、私たち大人にあります。
●お鍋をしていて、ちくわとギョウザをとると、
偶然エルモになりました。
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